或いはこんなスクールライフ
やがてチャイムが鳴り、授業が終了する。

教材をまとめ、職員室に戻ろうとする私。

そんな私を。

「サユミ」

ガルル君が駆け寄ってきて呼び止めた。

何かしら…授業内容の質問?

というか、私は先生なんだから、呼び捨ては勘弁してもらいたいんだけど…。

そんな事を考えていると。

「ラビ、白虎より強いのか?」

ガルル君は妙な質問をしてきた。

「え?」

「ラビ、白虎より戦い強いのか?そうは見えない」

…かたや徒手空拳部所属の拳法の達人・白虎君。

かたやラビさんは、同じ獣人とはいえ兎の獣人。

しかも戦闘補助のスキルしか持っていない。

戦闘で白虎君を上回るという事はない筈だ。

でも…ガルル君は何でそんな事訊くのかしら?

「だって」

ガルル君は言う。

「さっき白虎、自分より弱いラビの言う事聞いてた。強い奴が弱い奴の言う事聞く。おかしい、何でだ?」

< 66 / 186 >

この作品をシェア

pagetop