或いはこんなスクールライフ
「例えば…ガルル君が子供の頃…今よりもずっと小さな赤ちゃんだった頃、お母さんやお父さんに育ててもらったでしょう?」

「うん」

私の言葉にコクコクと頷くガルル君。

「その時に、ガルル君が抱っこをせがんだり、食べ物をせがんだりした時、お父さんやお母さんは怒った?」

「そんなの怒らない。当たり前」

真顔で返答する彼に。

「あら、何で当たり前なの?」

私は逆に問い返す。

「赤ちゃんのガルル君より、お父さんやお母さんは強かった筈よ?強い人は弱い人の意見は聞かないんじゃないの?」

「あ…」

私の言葉で、ガルル君は初めてその事を疑問に思ったようだった。

「そういえばそう。父ちゃん、俺よりウンと強いのに…何でだ?」

…首を傾げるガルル君を見て、私はクスッと笑う。

「それはね、ガルル君。『絆』というものよ」

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