或いはこんなスクールライフ
かくして放課後。

2‐Fの全員が集まって天空宮の海岸へと向かう事になった…のはいいんだけど。

「私も参加なの?」

ぞろぞろと列をなして歩く生徒の中に紛れ、私は困惑顔で歩道を歩く。

「当たり前じゃねえかサユミちゃん。サユミちゃんも2‐Fの仲間だろ?」

白虎君がガハハと笑う。

や…私は仲間っていうか教師なんだけど…。

「放課後だし、明日は休みだし、夜中まで皆で騒いでハッチャケようぜ!」

斑鳩君の言葉で、クラスメイト全員がワァッと盛り上がった。

や…私はまだ仕事残ってるんだけど…。

でも。

「どした、サユミ?」

隣を歩くガルル君が私を見上げた。

「楽しくないか?皆と一緒、嫌か?」

その表情は心底心配そうで、私の顔を覗き込む。

「そ…そんな事ないわよ?」

私は慌てて笑みを浮かべる。

私だって今朝までは、2‐Fの生徒達に馴染めるかどうか不安で不安で仕方なかったのだ。

それが放課後には、もうこんなに和気藹々と生徒達に囲まれている。

楽しくない訳がない。

「ガルル君は?」

私が問いかけると。

「楽しい!俺と皆、絆!」

ガルル君は瞳をキラキラさせて即答した。

『絆』という言葉の使い方がちょっと違うけど、ま…いっかあ…。

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