或いはこんなスクールライフ
道中、店に立ち寄り、クラスメイト全員でお金を出し合って食材や飲み物を買う。

何せ40人近い数だ。

食材も相当な量がいる。

「バーベキューセットとかはあるの?炭とかさあ」

クラスメイトの誰かが言う。

「大丈夫!」

その声にガルル君が答えた。

「海にある流木、薪木に使う!俺、炎のブレス吐く!火、つく!肉焼ける!」

彼の言葉に、クラスメイト達がオオッと声を上げた。

「流石野生児!」

「頼りになるぅ!」

「バイタリティあるなあ」

皆に口々に誉められると。

「そ…そうか?」

ガルル君は照れ臭そうに頭を掻いた。

…少し遠巻きに彼らのやり取りを見ながら、私は微笑ましく思う。

朝はどうなる事かと思ったけど、良かったわ…ちゃんと皆に溶け込めたんだね、ガルル君。

そんな事を思っていると。

「先生」

いつの間にか隣に来ていたリリムさんが、私の腕をツンツンと突っついた。

「良かったですね、ガルル君が馴染めて…私も心配してたんです」

そっか…そういえばリリムさんも、ほんの数ヶ月前はガルル君と同じ転校生として、不安いっぱいのままこのクラスに来たのよね…。

彼女はガルル君に、かつての自分を重ね合わせていたのかもしれない。

「リリムさん達のお陰よ」

私はリリムさんに笑顔を向けた。

< 74 / 186 >

この作品をシェア

pagetop