或いはこんなスクールライフ
電話越しに思わずツッコミの手をスイングさせる。

「わわわ、私の家ですか!?」

『いいじゃないか。確かサユミ先生一人暮らしだよねえ?』

だから余計に問題あるんです!

『どうして?一人ならそんなに手狭じゃないだろう?』

「そうじゃなくて!」

電話越しに二度目のツッコミ。

「私は教師ですよ?」

『うん』

「ガルル君は教え子ですよ?」

『知っているよ』

「問題じゃないですか!教師と生徒がひとつ屋根の下なんて!」

『………サユミ先生は』

学園長先生の、温和な割には性悪な笑顔が目に浮かぶようだった。

『ガルルを滞在させていると、何か間違いを起こしそうなのかい?もしかしてサユミ先生、年下キラーとか?ショタコンかい?』

違うっっっ!

心の叫びと共に三度目のツッコミ!

『じゃあ決まりだね』

まんまと断れない状況へと誘導され、学園長は無情にも通話を切ってしまった…。

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