或いはこんなスクールライフ
まんまとハメられた感は否めないが、学園長の指示とあらば仕方がない。

一旦学園に戻って、残った仕事を全て家に持ち帰る準備をする。

ガルル君を遅くまで学園で待たせる訳にはいかないし、残った仕事は家で片付けよう。

「サユミ、これからどうするんだ?」

学園の校門に戻ると、待たせていたガルル君が言った。

「うん…これから私のお家に行こう。ガルル君も、今日から私の家にお泊まりよ」

鞄を肩にかけ直し、私はガルル君に笑いかけた。

…二人で肩を並べ、夕暮れの学園都市を歩く。

私の家は、学園からそう遠くない。

天空宮市内にある、2LDKのマンションの5階。

普通ならば新米教師の安月給で、とても払える家賃ではないのだけれど、天空宮学園に勤めていると、家賃などもある程度負担してもらえるのだ。

お陰で私は、雑誌の『住みたい都市ランキング』の上位にランクインするような天空宮市で、贅沢にも一人暮らしできるのだ。

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