或いはこんなスクールライフ
ブラウンの壁のマンション、その建物に設備されたエレベーターに乗って5階へ。

ドアをカードキーで開けると、私はガルル君を部屋に招き入れた。

「ようこそガルル君。ここが私の部屋よ」

「……」

恐る恐る部屋に入るガルル君。

彼は玄関でスンスンと鼻を鳴らす。

「いい匂いする。メスの匂い」

メスって言うな!

私は入室する前に、ガルル君の鼻先に人差し指を向ける。

「い~い?ガルル君。私から招待しておいて何だけど、私は教師でガルル君は生徒だから!くれぐれも間違い起こさないようにね!」

ビシッと指を突きつけて、最初に釘を刺しておく。

なのに。

「間違いって何だ?」

シレッと、非常に答えにくい質問を返すガルル君。

「ま…間違いは間違いよ…」

「?わからない。何の間違いだ?」

「間違いっていうのは…その…あれよ」

「あれ?あれって何だ?」

「とにかく!」

一人赤面しながら、私はガルル君に背を向けて部屋に入った。

「この部屋は私の部屋だから!私の言う事はきちんと聞きなさい!」

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