或いはこんなスクールライフ
…と、あれほど口を酸っぱくして言っておいたのに。

「あぁ、そこのクローゼット開けちゃ駄目!あ!それは触ったら駄目よ、高いグラスなんだから!それも駄目!学園の大事な書類!きゃ~っ!その引き出し開けないでぇ!下着入ってるからぁ!」

私の部屋が珍しいのか、女性の部屋が初めてなのか、どちらかは知らないけれど。

とにかくガルル君は部屋の中をはしゃぎ回ってあちこち開けていく。

もう私のプライバシーなんて完全無視。

訴えてもいいくらいだ。

「もう!ガルル君お願いだからおとなしくして!」

いよいよ私も堪忍袋の尾が切れて、少々強く彼を叱る。

「少ししたら戻ってくるから、そこに大人しく座ってて!いい?1ミクロンも動いたら駄目よ?」

脅迫にも似た口調でガルル君に言い含め、私はリビングを出た。

向かった先は脱衣室。

「全くもう…」

溜息をつきながら、私はブラウスのボタンを外して脱ぎ、それを洗濯機に放り込む。

続いてスカート、下着も脱いで、そのままバスルームへ。

シャワーのコックを捻り、汗ばんだ身体に温かいお湯を浴びせる。

…ガルル君ったら、高等部のクラスにいても、その性格は初等部の子供と同レベルね。

白虎君や斑鳩君と同じ高校生として扱うには、ガルル君はあまりにも子供っぽ過ぎる。

ひとしきり汗を流してシャワーを止め、ボディソープをつけて、体を洗おうとした時だった。

ドタドタと聞こえてくる足音。

まさか…。

思った時には既に遅い。

「サユミ!水浴びか?俺も浴びる!」

真っ裸のガルル君が、確認もとらずにバスルームに乱入!

当然、シャワーを浴びていた私も全裸な訳で…。

「キャアアアアアアア!」

夜のマンションに、金切り声が響いた。

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