或いはこんなスクールライフ
「大人しくしなさいって言ったでしょう!」

まだ濡れたままの髪、バスタオル一枚体に巻いただけの姿で、私は仁王立ちでガルル君をこっぴどく叱る。

ガルル君はというと、左右のほっぺに私の平手打ちの跡をつけて、目の前に正座してショボンとしている。

「だって…サユミと水浴びしようと思った…」

「女の子と水浴びしたり、そういうのを間違いっていうの!」

我ながら物凄い剣幕で、私はガルル君を怒鳴る。

学園の私のファンの男子生徒が見たら、一気にドン引きしそうな形相だ。

「でも、千獣の樹海いた時は、俺、ラミアと湖で水浴びしたりしてた」

ガルル君がささやかに反論する。

ラミアというのは、上半身が人間の女性、下半身が大蛇の姿の魔物。

うん、確かに女の子と水浴びね…って…。

「私は人間なのっっ!」

握り拳を作って怒鳴ると、ガルル君はガクガクブルブルしながら。

「あう…サユミ怖い…ごめんなさい…」

とても素直に頭を下げた。

そういえばガルル君、強者には従うって言ってたっけ…。

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