【短編】LIVE HOUSE
「何年生?」
タイラ君の問い掛けに、
「中三…」
ためしに"です"を抜いてみる。
「いっこ違いじゃん。おれ、高一」
(やっぱり同じくらいだったんだ)
予想が的中し、ひとつ先輩ではあるけれど、ぐっと親近感が沸いた。
「コーコーセーが金髪にしちゃっていいの?」
あたしは、タイラ君のパーカーのフードからこぼれた金髪を見上げる。
「ダメに決まってんじゃん。センセーにも怖ーいセンパイにも目ぇ付けられて大変よ」
タイラくんがふざけたように言うので、あたしも笑って、
「アハハ。じゃあやめればいいのに」
「ダメダメ。そんなのロックじゃないもん」
「何それー」
そんなやり取りをして、二人で笑い合った。