【短編】LIVE HOUSE
振り返ると、タイラ君がまだあたしを見送ってくれていて、あたしは再び大きく手を振った。
ずっと何かを探していた。
そして今、あたしは確かに感じている。
何かが始まると。
真っ暗なライヴハウスから。
ライヴハウスで出会った、タイラ君という少年から。
何かが始まる。
ここにあたしが探しているものがある。
あたしの心を震わせるものが、きっとある。
あたしは思い切り足を踏み出し、駆け出した。