【短編】LIVE HOUSE



何かが見つかる気がして歩いていた夜の街、地下から響くような音に、あたしは足を止めた。


きょろきょろと見回すと、辛うじて読み取れた"LIVE HOUSE Ark"という看板が目に入った。


(ライヴハウス…。文化祭で軽音部がバンドやってたっけ)


暗幕を全部下ろして真っ暗にした体育館で見た光景を思い出す。


そういえば、つまらない中学もあの時ばかりは結構楽しかった。


うるさい演奏に、叫び声みたいな歌、その前に群がって騒ぐ生徒達。


普段は何とも感じないクラスメイト達との、不思議な一体感。


熱気の中で、あたしは確かに興奮していた。


あたしは吸い込まれるように、地下へと続く階段をおりた。


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