空のために
その日から萌とあまり話さなくなった。
私は話しかけるのに、萌はあまり話しかけてこなくなった。
「ねぇ、萌。」
思い切って聞いてみた。
「どした?」
「萌なんかうちのこと避けてない?」
驚いた表情をした萌。
やっぱり・・・
「ごめん。今はあんまり愛と話したくない。」
は?
なんなの急に・・・
「なんで?うちなんかした?」
「愛はなにもしてないよ!ただ・・・晃太が、愛と話すなって言うから・・・」
友達より彼氏・・・
親友でも彼氏には敵わないんだね・・・
あぁ友情ってもろい。
くだらない・・・
「そう。じゃ勝手にすれば?」
「愛!!ごめん。本当にごめん。」
うっとしい。
こんな人をうざく感じたのは初めてだった。
「あのさぁ、謝るくらいならもっと親友大切にしてほしかったよ。じゃね、小泉さん。」
「愛!!」

もう人間なんか信じない・・・
上辺だけなんて・・・
そんな世界いらない・・・
居場所なんて要らない・・・
もう萌なんて・・・知らない。

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