空のために
「愛ちん!!」
「どうした、あゆ。」
「今日プリ撮りに行かない?」
萌と離れてから違う連中とつるむようになった。
言わば"派手系"の連中と。
波に乗るだけ。
深追いはしない。
また萌みたいに裏切られるから。
女なんて・・・
「いいよっ撮りに行こう♪」
「てかさぁー愛、萌とケンカでもしたの?」
「別にしてないけど?」
「愛ちんと萌あんなに仲良かったのに・・・」
「裏切られちゃったんだもん。しかたないない♪」
「「裏切られたー!?」」
もうめんどくさい・・・
「小泉先輩、帰りましょ?」
遠くから聞こえた声。
私の好きな人の声。
でも呼ぶ名前は私の名前じゃない。
「あ、うんっ行こう♪晃太」
そして返事するのも私じゃない。
かつての親友。
私を裏切った女。
でも恨んではいない。
「は?なにあれ。萌って晃太君と付き合ってるの?」
「うん。」
「まじありえないんだけど・・・あたし晃太君狙ってたのに!」
「てか、なんであんなブサイクが!!」
「意味わかんないっ」
「あの、俺の彼女悪く言わないでもらえませんか?先輩方。」
「「晃太君!なんで萌が彼女なの?」」
逃げ出したい。
こいつの顔なんて見たくない。
「なんか告白されたからですよ?」
「え?」
「は?」
「晃太今なんて?」
「だーかーら、告白されたから仕方なく付き合ってるんですよ。」
「こう・・・」
「おいっ!!てめぇ。今なんっつた?」
「愛先輩、久しぶりだね♪」
「お前、萌のことからかってたのか・・・」
「それは違う。俺は愛先輩に近づくために小泉先輩と付き合ってたの。」
「そんな理由で・・・萌のこと・・・」
「晃太君、それ本当?」
「本当ですよ?小泉先輩?」
「そんな、そんなのひどいよ!!」
「だって先輩はそれでも俺と付き合うって言ったじゃないですか。」

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