空のために
―放課後―
ドキドキしながら屋上のドアを開けた。
でも空はまだ来てなかった。
4時40分。
何を話すんだろう。
何を話せばいいんだろう。
なんて悩んでいたら5時になっていた。
…空遅いな。
ホームルーム長引いてるのかな。
5時30分。
どんどん時間は過ぎていった…
普通ならメールくれるよね?空の教室行ってみようかな…
そう思って屋上を出た。
1年の教室が騒がしかった。
もちろん空のクラスも…
「あのぉ。」
1人出てきた1年生に聞いてみた。
「はい?」
明るくて笑顔がかわいい子だった。
「空峰いるかな?」
「空峰君ですか?ちょっとまってくださいね?あきらー。呼んでるよー」
「俺?」
「おー!空峰、彼女のお呼びだしかー??」
「木下が彼女とかいいよなー。空峰。」
時間が止まった。
キノシタガカノジョ?
私は?
「この前は学校1かわいい先輩おとして、んで捨てて次は木下かよー」
は?
捨てた?
私捨てられたの?
空に…
そう思ったら恥ずかしくなって、教室の陰から逃げていた。
廊下の角から空の会話を聞いた…
「あれ?雪。俺だれに呼ばれてたの?」
「さっきまでここにいたのに…」
「見間違えじゃね?俺今日はなんも予定ないし。」
は?
なんも予定ない?
「見間違えなんかじゃない。すごいかわいい先輩だったよ。」
「先輩…?」
「うん。」
「わりぃ。雪…俺用事思い出した。」
「もう用事なんかないよ…」
私は廊下の角から空に言った。
泣き顔なんて見せられない。
「え!?愛?」
「空。遊びだったんだね。」
「愛待てよ。俺の話聞けよ」
「聞く必要ないじゃん。さよなら」
そう行って私は隣の階段を走って登った。
追いかけてきてくれる?とか期待してた。
でも今の私じゃダメだった。
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