空のために

◇.萌との距離

ごく普通に学校生活を送った・・・
でも歪みができた・・・
萌の一言で・・・
「愛?」
購買のパンを食べる私に萌が聞いてきた。
「どした?萌」
口ごもる萌・・・
「あたし・・・空峰君が好きになった。」
「え?」
いきなりの萌の言葉に驚いた・・・
なにも言えなくなった・・・
萌が・・・空峰を・・・好きに・・・
「それで・・・告白した。」
呼吸が出来なくなった。
「・・・そ、そうなんだ!告白したんだ・・・それなら言ってくれればよかったのにー」
バレないように明るく振舞っていた。
「言えるわけないじゃん。」
「え?どうして?」
「だって・・・愛は空峰君が好きなんでしょ?」
やっぱり萌にはなにもかも読まれてた・・・
でも・・・
「え?!好きなんかじゃないよ。あんなくされ後輩。」
素直に言えないのが私。
親友の恋は応援したい。
だから自分の恋はあきらめる。
「本当に!?じゃ、えっと・・・付き合うことになった。空峰君と・・・」
もうどうでもよくなった。
萌だけは応援する。
でも今の萌にはムカついた。
自分がクズに感じてきた。
萌に取られて悔しい。
うざい。


「萌?頑張ってね。」
最後にそう言って屋上を後にした。
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