約束  短編
俺は自分の席に着いた。

「なぁ、このクラスで一番可愛いって言ったら絶対一ノ瀬だよな?」
「うんうん!マジ可愛い!!」
俺の席の近くの奴らが、そんな話をしていた。

ん?一ノ瀬?それって、亜美の事だよな?
亜美も同じクラスだったのか??

俺はその場で周りを見回した。
すると、一人で本を読んでる亜美の姿が・・・。

俺は亜美のそばまで行き
「・・・亜美?」と、声をかけてみた。

「・・・圭?」
そう聞かれて俺は頷いた。

「同じ学校だったんだね」
亜美は笑顔でそう言った。

「そうみたいだな。元気してたか?」
俺がたずねると、亜美の顔がすこし曇った。
でも、すぐにさっきと同じ笑顔にもどった。

「うん。元気だったよ。圭は??」

「俺も元気だったよ」
俺は笑顔でそう言った。

「これから、よろしくね?」

「あぁ」
そこで、会話は終了。

俺はさっきの亜美の曇った顔が気になったが、その理由は聞かなかった。
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