《完》シークレットコードにご用心
言いづらいことなのかな……?


そう思った時、伊織に
成り代わったように、
緋月が穏やかに話し出した。


「二人とも報道好きなら
当然知ってるよね?

“西条コンツェルン”」


―――――?


いきなりなんでそんなこと
聞くのかはわかんない。


けど、あまりに答えの見え
きった質問だったんで、
あたしは首を傾げながらも
即答する。


「もちろん知ってるわよ。

石油とか投資信託とか
手広くやってる巨大財閥
じゃない」


その答えに、緋月は
満足そうに頷いて、


「伊織はその西条
コンツェルンの御曹司なんだよ。

まあ、三男坊だけど」



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