《完》シークレットコードにご用心
こともなげに緋月は
笑うけど……。


――さっきはああ言った
けど、あれはただ口が
うまいってレベルじゃないわよ。


やみくもにへりくだったり
お世辞言うだけじゃない。

なんて言ったらいいのかな……。


緋月の言葉が全部、
ピンポイントで相手に
ハマっていってるんだ。

最初の山口さんも
そうだったように。



「これが、コイツの
特性なんだよ。

こんなもんで驚いてたら
甘いぜー」


光琉が口を挟んできたんで
あたしは振り返って
おうむ返しに聞いた。


「特性?」


「そっ。
まぁ、ESCODEでの役割
みたいなもん?

聞き込みや交渉は、緋月の
ホームグラウンドなんだ」
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