《完》シークレットコードにご用心
こんなふうに、その表の
中身は、取引経緯を全部
記号でまとめてあるらしい。


あたしには意味不明でも、
銃の型番に詳しい藍なら、
その解読は簡単だった。


藍は指を添えながら表を
真剣な目で追って、


「今回の凶器の銃はこれだよ。

これで見ると――去年
仕入れた直後に、まとめて
何丁か売れてるね。

けどここ半年では――
8月に1丁売れただけだ!」


「8月!?

オイ、それって……!」


光琉が緊迫した声で叫んだ。


他のメンバーは無言
だったけど、全員で思わず
顔を見合わせる。




――通り魔事件が
起こり出したのは9月。


その1ヶ月前に、1丁だけ
凶器の銃が売れてるなんて……。
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