《完》シークレットコードにご用心
伊織の視線の先を振り
返って、あたしは硬直する。


あたしだけじゃない。

……伊織とその地縛霊……
じゃなかった人物以外は、
全員があたしと同じように
石化してた。



「ゴッ、ゴメン萌々香っ!!

カンペキ、忘れてた……!!」



そう。


そこに座ってるのは
もちろん霊なんかじゃ
なく、我が新聞部員の萌々香。


存在感も気配もない上に、
背中を丸めて何もしゃべら
ないから、さっきの騒ぎで
すっかり忘れてたけど……。



「そっか……コイツ、
ずっとここにいたん
だったな……」


「ア、アハハ……。

す、すっかり興奮して、
忘れてたね……」
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