《完》シークレットコードにご用心
……っと、その前に、
伊織にも彼女のことを
説明しないと。


地縛霊扱いされたままじゃ
あんまりだ。


あたしはクルッと
伊織に向き直った。


「伊織。このコは地縛霊
じゃなくて、れっきとした
うちの生徒で――」


「知ってる。

まさか本当に霊がいると
思ったまま話なんかするか。
さっきのは冗談だ。


……推測するにもう一人の
部員だろう?

若宮、とかいったか」


「えっ、知ってたのっ!?」


あたしは目を点にしちゃう。


けど、伊織は当然だと
言うように頷いて、


「一応顧問だからな。

就任した時に部員の紹介は
教頭から受けた。

若宮の話も聞いてる」
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