《完》シークレットコードにご用心
藍の提案にあたしも頷く。


「そーだね。

親密になってんだし、
何か知ってるかも」


「けどさ。

結局ここでは、何すんだ?」


騒音に顔をしかめながら
尋ねた光琉に、藍は
ニヤリと意味深に笑った。


「いい心当たりがあるんだ♪

楽屋には呼んでもらえない
けど、心からカインを
愛してる人。

カインのことで知らない
ことはないって言う
ウワサの人が……」


「え…………?」


藍はそれ以上何も言わず、
人ゴミを掻き分けて
ズンズン前の方に歩いて行く。


ときどき割り込みに文句を
言われつつ、やっとこさ
たどり着いたのはだいぶ前列。
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