《完》シークレットコードにご用心
なるほど、それで
『カインを愛してるけど
楽屋には呼ばれない人』なのね。

ナットク。



「何? あんたら?」


イヴさんは、不審げな
顔をしてあたし達を見た。


藍はそんなイヴさんの耳に
小声で何かささやく。


あたしには何を言ったのか
全く聞こえなかったけど、
イヴさんの顔色は見る見る
変わってった。


「―――出ましょ。

外で聞くわ」


そう言うと、自らすすんで
ホールの出口を目指す。


あたし達もその後に続いて
もう一度ホールの外に出た。


騒音が漏れ聴こえる寒い
廊下に出ると、イヴさんは、


「本当なの、その話!?」


と、切羽詰まった表情で、
藍に詰め寄る。
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