《完》シークレットコードにご用心
それだけのことを話すと、
イヴさんはガシッと
藍の手をとって言った。


「お願いだからやめさせて!

そんなことされたら
カインが破滅しちゃうわ……」


「わかりました。

大丈夫だと思います。

クスリのウワサは元々
知ってたから、今さら
それを暴いてもどうなる
わけでもないし。

意味ないんだって説得します」


力強い声で答えてもまだ
不安そうなイヴさんに、
藍は自分の連絡先だと
言って名前と携帯番号を告げた。

……どっちも、てんで
デタラメだったけど。


でもイヴさんはようやく
少し安心したみたいで、
『それじゃもうすぐ
始まるから』とホールに
戻って行く。
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