《完》シークレットコードにご用心
手にした針ガネみたいのを
ヒラヒラ揺らして、
ニヤリと笑う光琉。


「……いい。できなくて」


「何ブツブツ言ってんの!

ホラ、さっさと入って!」


藍にせかされて滑り込む
ように中に入った。


入った瞬間、


「うわっ、くさっ……!!」


ものすごいタバコの臭いが
まだ部屋中に充満してる。


思わず鼻を押さえた
あたしに、藍が黒い手袋を
投げてよこしながら、


「ガマンガマン!

さっ、チャッチャと
やっちゃうよ!」


藍はもう手袋をつけて、
部屋の中を観察し出してた。



……そうだった。


メンバーが戻ってくるのを
待つ間にも、あたし達には
仕事がある。
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