《完》シークレットコードにご用心
でもその姿は、藍に
比べるとあまりに不格好。


かろうじて両手で持っては
いるものの、撃たれるって
いう恐怖感からの条件反射
――なんだかそんなふうに見えた。



けど、銃口は間違いなく
藍の方を向いてる。


そして、引き金にかかった
指に、グッと力が………!


「あぶな――……!」


「――――光琉っ!!」


あたしの声を遮って
響いたのは藍の声だった。


そして次の瞬間、傍らで
ヒュッと空気が動く。



―――――え……?


小さい風。


何かが空を切る音。


はやぶさのように視界を
かすめた、黒いシルエット。
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