《完》シークレットコードにご用心
「……わかりました」


渋谷さんは押し殺した
ような声でそう言うと、
あたしからまた視線を移した。


室内にいる部員一人一人を
順番にゆっくりと見て……
最後にもう一度あたしに
向かって、


「――次の校内新聞、
期待してますよ」


そう言うと踵を返して、
静かに部屋を出て行った――…。



「……ふぁぁ〜っ。

こ、怖かったッス……会長」


しばらくして、ずっと息を
つめてたらしい小太郎が、
ため息と共に情けない
声をあげる。


「ほ、本当に……。

美羽ちゃん、がんばったね……」


萌々香もドッと疲れた
ように背中を丸めてた。

――たしかにこの二人には
キツイ状況だったな
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