《完》シークレットコードにご用心
「渋谷……会長に………!?」




――そんなまさか。


あたしは真っ先に口を開いた。


「ちょっと待ってよ。

似てたって……川の向こう
側の車でしょ?」


あの川、たしかにそれほど
大きい川じゃなかったけど。


それでも対岸の車内の人物
なんて、せいぜい米粒
程度にしか見えないはず。


顔なんて判別つくわけが……。



――だけどその考えは、
すぐに打ち消される。


「光琉には見えんだよ、美羽。

光琉の視力は3,5あるから」


「さっ、3,5ッ!!?」


こっちは目が点になる。


「まさか!

マサイ族じゃあるまいし……」
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