《完》シークレットコードにご用心
ゼッタイ冗談だと思って、
言った藍をにらもうと
したんだけど、すぐさま
当の光琉が、


「ホントだよ。

つってもやっぱ距離
あったし、“似てる”
くらいにしか確証は
持てねーけど」


「マ、マジで……」


運動神経だけじゃなくて、
身体能力まで優れてんのね……。


光琉の見てる世界は、
あたしには理解不能ってワケだ。


「……わかったわよ。

けどとにかく、それが絶対
渋谷さんだって言い切れる
ほどじゃないんでしょ?」


「あぁ………」


「それで、その時も何も
言わなかったのか?」


そう言った伊織の声には、
少しだけ非難する色があった。
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