《完》シークレットコードにご用心
「よし。

それじゃあ、
ミッションスター……!」


張りのある声で号令を
かけようとしてた伊織が、
急に変な顔をして言葉を切る。


見ると、伊織の斜め前に
立って、萌々香がチョン
チョンと彼の服の裾を
引っ張ってた。


「………なんだ?」


「あ、あの……。

ワタシも何か、
お手伝いします……」


「えっ!? 
な、何言ってんの萌々香!!

あんたは何もしなくて――…!」


「い、いいの。

今日は気分もすごくいいし。

みんながんばってるから、
ワタシも何か……したい……」


「萌々香――…!」


さらに止めようとした
けど、萌々香はあたしを
スルーして、もう一度
伊織の服を引っ張る。
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