《完》シークレットコードにご用心
次は中央棟。――ここも無人。


南棟は入れない。


残るは東棟ひとつになり、
あたし達は緊張で言葉も
忘れて、無言でそこを
目指した。


……考えたら、東棟は
生徒会室がある棟だ。


生徒会室から移動すると
したら、ここが一番近い――!




―――バンッ!!



重い鉄製の扉を、光琉が
乱暴に開け放った。


とたんに冷たい風が、頬を
叩くように吹きつけてくる。


思わず目を細めそうに
なったけど、我慢して
しっかり前を見たまま、
あたしも屋上に飛び出した。


今までは影ひとつ見つけ
られなかった、冷たい
コンクリートの床。


そこに立つふたつの
人影が、視界に映る――…。



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