《完》シークレットコードにご用心
きっとその場にいた
全員が、虚をつかれて
一瞬何が起こったのか理解
できなかったに違いない。



だってその悲痛な叫び声を
あげたのは、まさに
予想外の人物で。


どうして彼が今、そんな
声をあげたのか――

誰もが信じられない
思いで、ゆっくりと視線を
動かすことしかできなかった……。



「風間――クン……?」


無意識のうちにその名前を
呼んでたけど、風間クンの
耳には入ってないようだった。


でも、次に渋谷さんに
『幹人?』と呼ばれると、
彼はピクッと体を震わせて
反応する。


そして、哀願するような
目で渋谷さんを見て、


「もうやめてくれ、渋谷さん。

それ以上言わないで……」
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