《完》シークレットコードにご用心
Mission-5

はかなくて確かなもの

     ☆☆☆☆☆



「どうぞ………」


小太郎が、テーブルに
そっと暖かい紅茶の
カップを置いた。


でも風間クンは見向きも
しなかったから、隣の
渋谷さんがカップを取って
強引にその手に持たせる。


「飲めよ。少しは落ち着く」


「………………」




―――ここは、例の雑居
ビルの中の、あたし達の隠れ家。


あれ以上学園にいるのは
時間的にムリだったから、
全員でここまでやって来たんだ。



泣き崩れる風間クンを
連れてくるのは大変だった。


けど、渋谷さんが傍に
ついててくれたおかげで、
少しずつだけど彼も
落ち着きを取り戻してる。
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