《完》シークレットコードにご用心
予想外の展開だけど、
こうなりゃやるしかない。



先手必勝。

あたしは向こうが聞いて
くるより先に、大声で
自分の名前を名乗った。


「こっ、皇林学園新聞部、
部長の小鳩美羽よ!

取材の依頼で来たわっ」


「はぁ? 新聞部だ?」


素っ頓狂な声を上げたのは光琉。


あたしは光琉の方を向いて、


「そーよっ!

あなたとそこの有栖川緋月
が、放課後このビルで何を
してるのか真相を解明しに来たの。

怪しいって噂が、今校内で
持ち切りなのよ」


光琉は目を丸くして、
緋月と顔を見合わせる。
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