《完》シークレットコードにご用心
風間クンはカップを
ソーサーに戻すと、空いた
両手をギュッと膝の上で
握って、ポツリと言った――…。


「父を……
破滅させてやりたかった。

だから、自分が犯罪者に
なろうと思ったんだ……」


「え…………!?」


お父さんを――破滅させる?


思ってもみない物騒な
言葉に、あたしはヒヤッと
冷たい風が吹いたような
錯覚を覚える。


「父親って……あの風間
議員ッスよね? 
衆議院議員の……」


「えっ? 
もしかして風間大介議員!?

……の息子だったの、このコ!?」


小太郎の確認に、藍が
驚きの声をあげた。


……そっか。藍はうちの
生徒じゃないし、そこまで
知らないよね。
< 432 / 530 >

この作品をシェア

pagetop