《完》シークレットコードにご用心
緋月のセリフに、風間
クンはその表情にさらなる
苦痛を浮かべて、
「父が公表を遅らせてるんだ。
だから俺も学校で公には
できなかったけど、ごく
一部の教師には報告してある」
「そうだったのか……。
だが、どうして公表を
遅らせる理由が――?
病死なら、それが政治
活動や選挙に影響を与える
ことも別にないと思うが?」
驚いてても、さすがに
伊織の切り返しは冷静だ。
そんな疑問、言われなきゃ
あたしなんか、ちっとも
思いつかないのに。
けどその質問が、風間クン
には核心に触れるもの
だったのかもしれない。
彼のにぎりしめた両手に、
今まで以上にグッと力がこもる。
クンはその表情にさらなる
苦痛を浮かべて、
「父が公表を遅らせてるんだ。
だから俺も学校で公には
できなかったけど、ごく
一部の教師には報告してある」
「そうだったのか……。
だが、どうして公表を
遅らせる理由が――?
病死なら、それが政治
活動や選挙に影響を与える
ことも別にないと思うが?」
驚いてても、さすがに
伊織の切り返しは冷静だ。
そんな疑問、言われなきゃ
あたしなんか、ちっとも
思いつかないのに。
けどその質問が、風間クン
には核心に触れるもの
だったのかもしれない。
彼のにぎりしめた両手に、
今まで以上にグッと力がこもる。