《完》シークレットコードにご用心
「え? そ、それは……」


「……父が母を殺したんだ。

そして言うことを聞く
医者に、金を積んで嘘の
診断書を書かせたんだよ。

あいつならそれくらい
やりかねない。


母はそれを察してたんだ。

身も心もボロボロにして
尽くしてきたのに、最後は
邪魔者扱いで、消されて
しまった……!」


その先はもう、言葉に
なってなかった。


風間クンはダンッと一度
自分の膝を叩くと、
そのままくずおれてしまう。


その体を渋谷さんが支え――

渋谷さんの腕の中で、彼は
声を殺すこともなく泣き続けた。



「―――それが、キミが
通り魔事件を起こした
動機か……」


風間クンの小刻みに揺れる
体を見ながら、伊織が
まるで独り言のように呟く。
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