《完》シークレットコードにご用心
そう思って彼を見てたら、
バチッと目があってしまった。


面食らうあたしに、伊織は
薄い笑みを唇に浮かべて、


「お嬢さんがここまで来た
状況はだいたいわかった。

で、本題だけど。

――今までの話、盗み聞き
してたわけだな?」


「……………!

盗み聞きだなんて
人聞き悪いわねっ。

様子をうかがってただけよ」


「な〜にをいっちょ前に。

それが盗み聞きだって」


聞こえよがしに嫌味っぽく
呟いたのは藍。


反対向いてても
聞こえてますけどぉっ!?
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