《完》シークレットコードにご用心
後悔が胸の中を
グルグルと渦巻く。



幹人にとって今の状況は、
わけもわからなければ、
この上なく苦痛だった。



――新聞部が通り魔事件の
犯人を探していたこと。


容疑者として、将臣が
疑われていたこと。


それはまさに青天の
へきれきだったけれど、
不思議な因果で、そこから
自分の罪は暴かれてしまった。



自分が通り魔事件の犯人
だったことを、彼らは知った。


それなら、極悪人と自分を
なじって、サッサと通報
してしまえばいいのに。


なぜか新聞部は、それをしない。


自分の為に、もう少しの
時間が必要だ、なんて
ことを言っている。
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