《完》シークレットコードにご用心
父は壊れたオモチャの
ように、再びビクッと体を
震わせて、


「……別れ? 別れだと……?

そんなまさか、文恵が――!?

あいつはたしかに死んだ。

死んだのに……!!」


「――だから! 向こうの
世界へ完全に行ってしまう
前に、来てくれたんじゃないか!

嬉しくないのか!?

母さんに挨拶できない
理由でもあるのかよっ!?」


途中からは激しい叫びと
なった声を、感情のまま
父にぶつける。


なんならブザマにザンゲ
でもしてみせろ。
そんな気持ちだった。


その気持ちを汲み取った
かのように、母も静かに
父の方へと歩を進め、


「あなた。私が怖いんですか?

そんなふうに怯えた目をして。

……皮肉ですね。

生きていた頃、私の方こそ
あなたが怖かったのに……」
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