《完》シークレットコードにご用心
『見事だね、萌々香。

うまく自殺後の状況を
聞き出すのに成功してる』

緋月が囁きで感心の声をあげる。


あたしも目で同意しつつ、
ジッと続く声に耳を傾け続けた。


「お前はもう帰って来ない。

それが理解できた時は、
足元がガラガラと崩れて
いくような気がしたが……。

お前の遺言だけは叶えよう
……イヤ、叶えなくては
いかんと思った。

お前がワシに残した、
最期の願いなんだから。


だからお前の望み通り、
医者を説き伏せ、診断書を
書かせ……。

――今ならわかってるのか?

ワシはちゃんと、お前を
病死として送り出したぞ!?」



(――――――!!)


どーゆーこと!?


それじゃつまり……病死を
装ったのも、風間夫人
本人の願いだった、って
ことなの!?
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