《完》シークレットコードにご用心
そして再び、


「これからは、まっとうな
政治家の道を歩んで行くんだ!

……だから、すまん。
これは捨てられなかった。

お前は焼いてしまえと
言ったが――これは生涯、
ワシにかせられた十字架の
証として、持っていたいんだ」


「それは……遺書!?

母さんの遺書かっ!!?」


ガサッという音で、
風間クンがそれを奪い
取ったんだと想像がついた。


訪れる沈黙。


やがて風間クンは、
涙混じりの声で、


「母さん……どうして……!

こんな男のために、そこまで。
命を賭けてまで……!」


「幹人。――ごめんなさい。

でも私には、もうこれしか
できることがなかったの。

妻として、母親として……」
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