《完》シークレットコードにご用心
「母親として!?

俺は病気の母さんでも、
傍にいてくれる方がよかった!

俺と父さんだけが
残ったって意味なんかない!!

そもそも俺は、この男を
父として尊敬したこと
なんて一度もないんだ!!」


「幹人………!」


萌々香――イヤ、夫人と
風間議員の声が重なる。


先を続けたのは“母親”の
声だった。


「それじゃダメなのよ。

父さんもあなたも、
変わらなければいけない。

変わってほしかった。

そのためなら、私は
自分の命なんて、少しも
惜しいとは思わなかった……」


「母さん―――!!」


「あなた。

あなたには、私の心が
届いたと思っていいのですね?

これからは政治家として、
父として。

立派に人生を歩んで
くれますね――…?」
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