《完》シークレットコードにご用心
「そして。

何があっても、父さんは
あなたの父親なのよ。

それから逃げてはダメ。


だけど私は信じてるの。

どんな人間でも。どんなに
罪深い人間でも、いつか
変われる時は来るって。

あなた達にも、その時が
来るって」


「母さん! 

だけど――だけど俺は―――!!」


「大丈夫よ。あなたならできる。

だってあなたは私の
息子ですもの。

一国を支えるほどの力の
ある、父さんの息子ですもの」


「母さん…………!!」





ふわり、と。


ほのかに香る、木蓮の
匂いが鼻をくすぐった。



それは、風間夫人が生前
好きだった、花の香り。


と同時に、あたし達への
合図でもある。
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