《完》シークレットコードにご用心
萌々香が着物の下に隠した
匂い袋を破いて、こっちに
合図を送ってるんだ。


『合図来たよ! どう?』

耳打ちで確認すると、
緋月は満足げな表情で頷いて、


『充分だ。

っていうか、文句なし
120点満点だよ』


『よしっ、じゃあいいな。

行くぜっ!!』


小さなかけ声と共に、
光琉がスタンバってた
機械の動作スイッチを押した。


これまた、萌々香が
知り合いから拝借した
撮影用機材だ。

スイッチを押すと、排出口
から大量のスモークが
出てくる仕組み。


(うはっ……けむたっ……!)


一気に奪われる視界に焦り
つつも、あたしも急いで
自分が担当する機材を
持ち上げる。


こっちはライト。


充分霧が充満してから、
あたしはそのライトを
点灯させた。
< 512 / 530 >

この作品をシェア

pagetop