《完》シークレットコードにご用心
「待って……待ってくれ、
母さんっ!!」


「文恵! 行くのか?

本当にこれが最後なのか!?」


追いすがる二人の声。

どっちのものかわからない
けど、足音も聞こえた。


体を掴まれでもしたらヤバイッ!


ヒヤッとした時、隣で
トスッて音がして、木蓮の
匂いが強く香る。


『OK! 引きあげるよ!』


緋月の声。


どうやら間一髪で、緋月が
萌々香の体を外に引っ張り
出したみたい。


ごく近い所で風間クン達の
気配がしたけど、窓枠まで
近寄ってくるほどの様子は
なかった。


呆然として立ち尽くしてる。
そんな感じ。



『よし、急ごう!』


あたし達は機材を抱えて、
前屈みの態勢で一人ずつ
移動を始める。
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