《完》シークレットコードにご用心
一斉に動いたらどうしても
物音が大きくなるから、
あらかじめはける順番も
決めてあるんだ。


途中で、藍と小太郎も
うまく誘導してくれるはず。


まずは萌々香が動き出した。


続いて一番大きい機材を
抱えてる光琉。


そしてあたし、緋月。


月明かりの中、あたし達は
息を殺して風間家を後にした。



あたしが緋月とほぼ同時に
車にたどり着いた時、車内
にはもう、全員の顔が揃ってる。


「問題ないな。行くぞ」


伊織が静かに車を発進させた。


あっという間に開く、
風間家との距離――…。




「―――終わったな」


ポツリと、誰に言うでも
なく光琉がつぶやいた。
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