《完》シークレットコードにご用心
「ちなみに尾行じゃなくて
待ち伏せね。

ビルの前に着いた時には、
もう電柱の陰にいたんだ。


顔を見て新聞部長だって
ことはすぐわかったから、
ちょっと面白そうだなーと
思って♪」


悪びれた様子のカケラも
ない緋月に、伊織は深い
ため息をついて、


「本当に『面白そう』で
済むのか?

素人にオレ達のことを
明かして、もし何か
あったら――」


「大丈夫だよ。

たしかに素人だけど、
ここまで単身乗り込んで、
あれだけのことが言える度胸。

あれはなかなか使えると
思わない?」
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