恋戦乱


「滝次様?」


「つっ、椿?!!」


「やっぱりここにいらしたのですね」


あたしはあの丘に来た

滝次様はここだろうと思って


「家来の方がお困りでしたよ?」


「お前の家にまで来たのか?」


「はい、たいそう焦っておいででした」


「すまないな、お前に迷惑かけて…」


「いぇ、私はかまいません―…
ですが…滝次様、お疲れなのですね」


「え―…?」


そう、


あたしには滝次様のお顔が疲れに強ばっているように見えたから―…




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